プトレマイオスを笑うな
天動説、
宇宙の中心に地球があって、
星が動いて見えるのは、天が動くから。
今、この説を本気で支持する人は
多くない(皆無?)と思います。
この説は、科学的にも極めて劣勢ですが、
それ以上に、「地球を中心と見る点で、
自己中心的」な態度の象徴と見られています。
とても、不名誉な扱われ方ですよね。
この天動説の中心人物が
2世紀、古代エジプトのプトレマイオス。
地動説を唱えたコペルニクスに比べると、
知名度は高くありません。
天動説をひっくり返したことにかけて、
「コペルニクス的転回」等と言われるあたり
『ひっくり返され役』を余儀なくされています。
ですが、そう見下したものでもありません。
むしろ、天動説も相当進歩的な見方だった、と言えます。何しろ、それまでは
「天はこの世の天井。星はそのランプ(可動式)」
くらいの天体観だったのですから。
地動説の功績はあまりに大きいでしょう。
プトレマイオス後、約1500年もの間、
天動説は支持されますが、これはその証と言えましょう。ただ、その古さが
『旧態依然→格好のひっくり返され役』
となったのでしょうね。
旧態依然はプトレマイオスではなく、
彼の説にしがみついた当時の教会や権力者ですが…。
「コペルニクス的転回」という言葉を用いたのは偉大な哲学者、I=カントですが、
同じく哲学史上、絶大な尊敬を受ける
アリストテレスだって、天動説でした。
「正しいもの」は時代によって変わっていきます。
天動説は地動説に、その地位を譲りました。
が、地動説だって、今の私たちの見方だって、
いつかはひっくり返されるかもしれない。
大事なのは、正しいか間違っているか、ではなく、「今、自分の『正しい』は本当に正しいの?」
って問い続けることではないでしょうか?
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コメント
いや~
すごいです!!本当に色んな知識をお持ちなんですね~
尊敬です^^
確かに今、当たり前に思っていることが
実は思い込みだったり、誰もが知らない事実があるってことも
当然あり得ますもんね!!
そうやって大昔から現代まで色んな歴史が塗り替えられたんですからね!
少し違うかもしれませんが
いつでも物を見る目や考える脳を柔軟にしておかないと
固定観念だけにとらわれると
新しいものを見逃すかもしれない!!って思いました
勝手な解釈でゴメンナサイね
でも勉強になりました~~ヽ(´▽`)/
投稿: ぴぐもん | 2009年4月13日 (月) 00時11分
ぴぐもんさん おじゃりやれ
うれしい言葉、ありがとうございます。
でも、私の知識なんて、ちっぽけなものです。
ネットでちょっと調べれば、わかることばかり…。
でも、ぴぐもんさんのおっしゃるとおり
「これが正しい!」って決めつけは、
本当に正しいものに近づくのの妨げになります。
逆に、今から思えば誤りだった過去の見方も、
その誤りがあったから、進歩があった、とも言えますからね。
投稿: すとれちあ。 | 2009年4月13日 (月) 11時59分