私の仕事と憲法
いまさらですが、5月3日は憲法記念日。
自分の仕事と憲法の関係について、
日々、思っているところを書こうと思います。
実は私、大学での専門は憲法学でした
(こういう、実務にも日常生活にも
あまり役に立たないことが好き。
同じ法律でも、民法や借地借家法なら、
もう少し役にも立つのに…)。
私たち、福祉の仕事をする人間にとって、
憲法25条に定められた生存権は、
山の頂のようなもの(遠すぎて、
あまり意識しないというのが本音ですが)。
これを実現するのが、意義のひとつでしょう。
加えて、養護と教育を一体として
保育を行う認可保育所では、
憲法26条1項の「教育を受ける権利」と
親の就労を後押しする意味で27条1項の勤労権、
これを実現する役割も、あります。
これら憲法で定められた基本的人権の
最前線にいる、これは誇っていいと思います。
が、この最前線にいるのは、
保育士や介護士など、現場の職員。
私のような経理の人間(私はかなり、
現場にも立ってしまっていますが)は
本当の意味での最前線ではありません。
では、私の仕事の意義は何なのでしょう?
それは、やっぱり憲法からも、見出せます。
憲法第89条「公金の支出の制限」です。
「公金は、公の支配に属さないと
使っちゃいけませんよ」
というルールです(保育所の運営費や、
高齢者施設の介護保険収入は「公金」になります)。
この「公の支配」に属するために、
福祉施設には、民間企業にはない
様々なルールが課せられますが、
このルールの最前線にいるのが、
福祉の経理なのです。
基本的人権に比べると、
消極的なイメージは拭えませんけど。
でも、国民全体から集まった税金を、
ちゃんと基本的人権の実現に使う、
そんな意義のある仕事だと、思っています。
憲法は、こんな私にも、
やりがいを与えてくれるんですね。
ゴールデンウィーク、終わりですね。
どんな連休でしたか?
私は、結構仕事に追われました。
福祉施設の決算は3月と法で決まっているので、
GWは毎年、多忙です。
これも、「公金の支出の制限」の一端として
甘受しなければなりませんね。
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コメント
今、そっか!憲法記念日だったよね、と思い出した
自分が恥ずかしいです
憲法学ですか・・・法学部?
大学生のときの一般教養で、最も苦手でしたよ・・・。
コメントが難しいですが、今日のコラムも
とっても興味深く読ませていただきました。
ありがとうございます
投稿: ゆめ | 2009年5月 6日 (水) 22時35分
休みだ~わーーいわーーい!!としか
思っていなかったわたくし。・・・お恥ずかしい(ノд・。)
今日もすとれちあ。さんのブログ!勉強になりました☆
GWもお仕事等で多忙だったんですね~
しばらくしたら落ち着かれるんですか?
休み明けの子供達は、少しわがままになってたり(我が家だけかしら)で大変でしょうが
保育園、賑やかでしょうね~
投稿: ぴぐもん | 2009年5月 7日 (木) 13時03分
ゆめさん おじゃりやれ
憲法学、苦手な方、多いですよね。
実体についてどーのこーの決めている法ではないので
(そもそも法って自体で、実生活とかけはなれてるし)。
私は逆に、頭で考えることばっかり(それも大したことないけど)。
手足を動かして、と言うのが苦手なので
でも、意識しない、というのはいいことだと思います。
普段の生活で法を意識しまくるのはプロだけでいい、
私たち素人が意識しなくていい状態、それが「あるべき状態」
と私は考えますので。
投稿: すとれちあ。 | 2009年5月 7日 (木) 18時34分
YUの受験社会を教えていると、憲法がでてくるんですよね。
子どもに基本的人権や国民主権の概念を教えるのって大変デス。納税の義務や労働の権利なども「権利と義務って何?」ていう感じ。
ただ、そうやって、昔勉強したことを思い出せるっていうのは自分にとってはとっても有意義です。憲法。身近に感じないですからねえ。ワタシにとっての身近な法律は地方自治法です。。。学生の時は「行政法」なんて科目があっても地方自治法はやらないんですよね。コームインになってようやく目を通しました。
投稿: ゆうまま | 2009年5月 7日 (木) 19時21分
ぴぐもんさん おじゃりやれ
ワガママ、なのは我が家のもんすてら。です
親のしつけのせいですが(*_*)
我がぱいなぷる保育園の子は 一部 朝(;_;)の子もいましたが 予想よりは穏やかでした
憲法 私は大学の専門だったし、そーゆーの、好きなのですが、多くの方は意識しないでいますよね
私はそれでもいいと思います(国民みんなが憲法憲法言ってたら気持ち悪いですって)。
ただ、門を開けてみると 意外と面白い世界だとも言わせてください私も大してわかっていませんが…
投稿: すとれちあ。 | 2009年5月 7日 (木) 23時19分
ゆうままさん おじゃりやれ
憲法に限らず 子と一緒に勉強して 学ぶことは多いですね(私も姪と勉強するので)
悔しいのは その意義を知るのは学生でなくなってからってこと…
私にとって憲法の面白さは 理想と現実の狭間にあると言うところ
私も、ですが
ゆうままさんのお仕事も 憲法の実現そのものですね
これからも いろいろ教えて下さい。
投稿: すとれちあ。 | 2009年5月 7日 (木) 23時25分