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「青い目の人形と横浜」を書いて

前回、5月の最後に、表記の記事を書きました。

童謡「青い目の人形」から、ポーリンたちと

その後の横浜の戦争被害の1頁について、

私なりにまとめてみました。

戦前に日米の子どもの思いを載せて

人形が交換されたこと、その後、

両国で悲惨な戦争があった皮肉は

あまりにも有名ですが、

実はこの歌が、大正につくられ、

所謂人形交換とは全く無縁であることは、

意外と知られていません。

しかし、明るい出だしで勢いある序盤、

短調が寂しさや不安を表す中盤、

そしてまた、明るく楽しい終盤と

コロコロ変わる曲想は、

ポーリンらの波乱を暗示するかのようです。

人形が横浜に着いた昭和2年、

まだ大震災の記憶も生々しいはまっ子は

遠い国からの使節にどれだけ励まされたでしょう。

なのに、その人形にも軍刀を振り上げるほど、

後の日本人はヒステリックになってしまいます。

国内では切ったのは人形の首でも、

アジア諸国では現地の人の首を切りました。

あまりにも、愚かな行為です。

しかしながら、私には当時の日本人が、

血に餓えた野蛮人だったとは思えません。

喰うや喰われるやの国際情勢の中、

豊かな国土も、資源も乏しい日本にとって

奇襲も侵略も苦肉の決断であり、

国民の総意でもあったのです。

だからと言って、正当化もしませんが、

ただ、今の私たちだって、同じ情勢になれば

(そうなる可能性は、否定できません)

同じ選択肢を採りかねない、と懸念するのです。

それでも、私たち現代の日本人には

過去の日本人にはない強みがあります。

それは「過去の愚行から学べる」こと。

実は、過去の記事

『ゆりかごのうた』『花』『青い目の人形』は、

どれも、音楽が好きな自分として、平和を願い、

過去から学ぼうと3部作で書きました。

『ゆりかごのうた』は、

   「未来の平和を祈ること」。

東京大空襲の日に書いた

『花』は、「現在の平和に感謝すること」

をテーマとしましたが、これらは

「過去を知る」ことなくして、なしえません。

そして、横浜大空襲の日に書いた

今回のテーマは、その「知る」こと。

「過ちを繰り返さぬ努力をすれば

自ずと未来は明るくなる」

日本軍の軍刀も

アメリカ軍の焼夷弾も砕けなかったポーリン、

大震災直後から、80年以上に亘って

市民に愛されてきたポーリンは、

日本語でも、英語でもなく、

静かにそう語っている気がします。

本日の横浜、

150年目の開港記念日、晴れ。

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コメント

"お人形に罪はない"
はじめまして、七生です。(*'-'*)
参考になれば、幸いです。
 
『原爆は何故落とされたのか』
日本人よ、何故 "Yes, we can." と言えるのだ!?

「原爆投下が終戦を早めた」という説は、
アメリカが原爆投下を正当化する為に、
今も言い張っているウソ話である。
「日本を降伏させるのに原爆投下は必要なかった」
という事実は、とっくに証明されているのだ。
それこそTBSの特番、
『"ヒロシマ"あの時、原爆投下は止められた』
でもやっていたほどの常識だ。
※(某キャスター氏のコメントは人間理解の浅薄さを証明する情けないものだったが。)
http://matodoga.blog24.fc2.com/blog-entry-195.html

「天皇の地位保全」の条項さえ出せば、
原爆を投下せずとも日本は降伏すると
米国務次官・グルーは何度も主張した。
しかし大統領トルーマンは、
ポツダム宣言の草案から
「天皇の地位保全」を認める条項を
あえて削除した。
トルーマンは原爆を投下するまで
日本を降伏させたくなかったのだ!

○莫大な費用をかけて作った原爆を、
 議会対策の為にも使わなければならなかった。
○ウラン濃縮型と、
 ルトニウム型の2種類の原爆を、
 黄色いサルの住む都市で実験使用して、
 その効果を確かめる必要があった。
○戦後の世界秩序を巡って、
 ソ連のスターリンに
 脅しをかけておく必要があった。

原爆投下は終戦を早める為に
実行されたのではない!
ルーズベルトの急死で、
たまたま大統領になってしまい、
「つぶれた田舎の雑貨屋のおやじ」と言われて
全米国民の溜息を浴びていた
ハリー・トルーマンは、
自分の強さを誇示する為に、
何が何でも虫けら同然の日本人の上に
原爆を落としたかったのだ。
トルーマンは原爆を2個落とし、
目的を達成したら、グルーの案に戻り、
「天皇の地位保全」を日本に伝えた。
結局はトルーマンの計画通りに進んだのだ。
グルーの努力は実を結ばなかった!

『原爆を投下するまで日本を降伏させるな』
(草思社)の著者、鳥居氏によれば、
ルーズベルトは、日本との戦争が長引けば
中国が内戦になる可能性が高まると考え、
ドイツを降伏させたあと、
一日も早く日本を降伏させるために、
グルーを起用した。
ルーズベルトは「天皇の地位保全」を主張する
グルーに希望を託したのだ。
ところがルーズベルトの急死、
トルーマンの大統領就任によって、
グルーの対日政策は無視される。
日本を降伏させるわけにはいかなかったからだ!
原爆を落とすために!
 
日本が主体の正しい歴史を知るには
小林よしのり『戦争論』全3巻がおすすめです。
 
※ダニエル・エルズバーグ
元国防総省職員・平和運動家(米国) 論文↓
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter/article.php?story=20090821150520891_ja

投稿: 七生 | 2009年9月 7日 (月) 13時38分

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