« 淡水デビュー! | トップページ | 小田急ロマンスカー »

スローライフな音楽Ⅵ~「浜辺の歌」

あした浜辺を さまよえば 昔のことぞ 忍ばるる
風の音よ 雲のさまよ 寄する波も 貝の色も

ゆうべ浜辺を もとおれば 昔の人ぞ 忍ばるる
寄する波よ 返す波よ 月の色も 星の影も

Jan08_1656_1

今日は海の日。

私のように海が好きな人も、嫌いな人も、

身近な人も、ほとんど行かない人も、

夏という季節に海に思いを馳せない日本人は

ほとんどいないのではないでしょうか。

「母なる海」という言葉があります。

しかし私は、「母なる大地」の方が好き。

何故なら、人は大地にいだかれる事も

それをしっかり踏むこともできますが、

海にはそれができません。

海は生命の源であるにも関わらず、

私たちの命はそこで安住し得ないのです。

さすれば、今日のように「海の日」があるのに、

「山の日」「大地の日」がないのは、

いささか残念であるかもしれません。

ともあれ私たちは、海に憧憬と安らぎを求めます。

が、実はこの気持ちも、大地に足を降ろした上で、

という前提があるのではないでしょうか。

大海原や深海にも、好意はあったとしても、

そこにあるのは単なる憧憬であって、安らぎではないはず。

この、憧憬と安らぎ、その両方をうたった、

心休まる歌が、この「浜辺の歌」でしょう。

クレシェンドとデクレシェンドの往復は、

寄せては返す波にも、

吹いては息つく潮風のようにも聴こえます。

そこに浮かぶ情景は、海原でも、深海でもなく、

潮風を浴び、砂浜から眺める水平線、

振り返れば、自分ひとりの足跡。

どこか何かが、懐かしくなります。

大正中盤につくられたこの歌、

きっと、当時はこんな浜辺が、各地にあったのでしょう。

今とは違う豊かさに人々は恵まれていたのでしょうね。

なんて、「昔のことぞ忍ばるる」のは、

この歌の魔法の力かもしれません。

最後に。

気づかれた方もいらっしゃいますか?

このブログのタイトル、

この歌の2番から拝借したんですよ

|

« 淡水デビュー! | トップページ | 小田急ロマンスカー »

音楽」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

歴史」カテゴリの記事

コメント

すとれちあ。さん
そうですね。。。
頷きながら読ませていただきました。
海の日を、そんなに深く考えたことがなかったので
驚きながらも、確かに、山の日ってないですよね。
海に安住は出来ないけれど、安らぎを求める。。。というのも
そうですね。私は、波の音には安らぎを感じるんですが
海自体は、神秘的過ぎて、ちょっと恐いかも。。。
何か、得体の知れないものがいて、ぐわ~!って
出てきそうで
「浜辺の歌」の2番だったんですね。
句読点があったので、詩の一節だと思っていたんです。
この歌ってどんな歌なのかしら・・・
聞いたら知っているのかしら?と思ったりもするけれど
知らないかも・・・お恥ずかしい。。。

投稿: ゆめ | 2009年7月21日 (火) 10時44分

こんばんは
そうそう、ブログタイトル、「浜辺のうた」なのかしら、と思っておりました。海のお好きなすとれちあ。さんらしいタイトルですね。
ウチの家族旅行ですが、今年はいよいよ高校生のMIが「行かない」宣言をしているので、さみしく3人で伊豆に行って参ります。
が、実は3人で旅行に行くのは初めて。これは、寂しくじゃなくて、新しい始まりかもしれませんね。
来月10日からです。お天気が心配ですけどね。

投稿: ゆうまま | 2009年7月21日 (火) 20時37分

ゆめさん おじゃりやれ

私たち人間は陸の生き物なんです
だからこそ 海にロマンもあるのでしょうが やはりその前に 足をおろしてる土に思いをはせたいです(それが、地に足着くって意味ですね(^o^))

以前 新聞のコラムに 日本は海に囲まれてるが 海なし県も多い。しかし山のない県はない。なのに 山の日 は(祝日としては)ないのは不公平だ とありました

浜辺の歌 是非CD等で聴いてみて下さい
故郷 みたいな懐かしい匂いのする歌です(多分聴けば分かりますよ(^o^))
ウチの近く、神奈川県葉山町の夕方のチャイムは この歌なんです

投稿: すとれちあ。 | 2009年7月21日 (火) 23時31分

ゆうままさん おじゃりやれ

わかって下さってありがとうございます
すとれちあ。感激(T_T)

西伊豆 楽しみな反面 寂しいですね
でも本当に 新たな出発かも
そう思えるゆうままさんの強さには すごい!の一言
私なら とても言えません。引きずっちゃいそう(*_*)

投稿: すとれちあ。 | 2009年7月21日 (火) 23時36分

梅雨明けして、キラキラの夏が来た~~~と
思っていたらずっと雨ですねええ

母なる海・・・確かに生命の源。
ダイビングで潜ってた時、海の中では
上下がないっていうか、くるくる回転もできる感じは
羊水の中のイメージかも?って思いました。
決まった時間という意識があるから楽しめるけど
いつまでも陸に戻れないとなると恐怖以外ないでしょうねえ・・・
やっぱり大地に足をつくことで安心できます・・・
空(飛行機だけじゃなくて、高いビルでも・・・)も同じで
やはり地面に足をつけたときに安心します。

でも人って海や空への想いって大きいですよね!
だから浜辺から波の音を聴く、空を見上げて風を感じる・・・
が心地いいのかな。

投稿: ぴぐもん | 2009年7月22日 (水) 08時35分

ぴぐもんさん おじゃりやれ

ぴぐもんさんもスキューバされたんですもんね(私はシュノーケリングばかりで、スキューバは半ばペーパーです(*_*))

憧れと恐怖(不安) 両方ありますね
私自身 海を怖いといつも思っています(>_<)
浜辺なら(100%ではないけど)安心だし っていうか私たちの言う「海」って浜辺なんですよね
それは 海のほんの入口でしかないけれど 私はそれでいいじゃん って思います

投稿: すとれちあ。 | 2009年7月22日 (水) 23時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: スローライフな音楽Ⅵ~「浜辺の歌」:

« 淡水デビュー! | トップページ | 小田急ロマンスカー »