人間は万物の尺度
って言葉、ご存じですか?
そのライバル、プロタゴラスの有名な言葉です。
一般的には、ソクラテスという
ピュアな向学心をもった若者を、
鼻であしらった頭の固いオジサマ集団(ソフィスト)のボス、
ってイメージ、歴史上の悪役の一人かもしれません。
でも、私はソクラテスの「無知の地」と同じくらい、
この言葉に惹かれています。
この言葉を聞いて、どんな印象を持ちますか?
人間は、万物の尺度、つまり「俺様がルールだ!」
みたいな、そんな言葉でしょうか?
いえ、いくらなんでも哲学者が
わざわざそんな言葉を残すとは思えません。
ここは、逆から見てみましょう。
「人間が万物の尺度」なのではなく、
「万物の尺度は、人間(がつくったものにすぎない)」
って解釈できませんか?
つまり、何が正しいか、とかは絶対のものではなく、
私たちが「~だ!」って思って(確信して)いるものも
所詮人間が紡ぎだした価値観や観念に過ぎない、
私たちは、結局、絶対的に正しいとか間違っているとか、
そんなこと、知らないんじゃないか、
って鼻先に突きつけている気がします。
おや…、そう考えるとこの言葉、
ソクラテスの「無知の知」と、似たようなメッセージを
私たちに送ってくれている気がしませんか?
育児をする上でも、やはりそう。
正解なんてどこにもない、
そんな思いで子に向き合いたいですね。
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コメント
はじめまして
哲学者プロタゴラス、辞書に載っていました。
自然より人間の優位性を説いていますね。
哲学は無知ですが凡夫としては、
あなたのおっしゃる通りだと思います。
人間はすべてのご縁によって生かされています。
すべてのものに感謝しなければならないと思います。
できれば共存共栄したいものです。
子育て頑張ってください。
気楽に微笑んで優しい言葉をかけてあげてください。
投稿: エスプリ | 2009年12月20日 (日) 23時38分
エスプリさん
おじゃりやれ コメントありがとうございます
全てとの縁によって生かされている、
私はこの考え方がとても好きです。
それは単に精神的・観念的なものにとどまらず、
今日の環境問題など、科学もこれを証明している気がします。
世界の本当の意味での中心(つまり、超越した「尺度」)なんてなくて、
みんなが支え合っている、そんなイメージを持っています。
またいらして下さい
投稿: すとれちあ。 | 2009年12月21日 (月) 09時41分
さすがすとれちあ。さんですね~~~~
観点が素晴らしいです!!
哲学的な事、と考えると難しいですが
すとれちあ。さんの文章で説明されると
本当に分かりやすく、なるほどな~~って
思わせてもらえます(*^-^)
今一番身近なこととして、子育てにおいて
その気持ちで
日々のことに向かいあっていきたいものです!!
投稿: ぴぐもん | 2009年12月21日 (月) 16時51分
ぴぐもんさん おじゃりやれ
いえ、さすがって言われるようなことは何もないです…
もちろん、嬉しいコメントはありがた~く頂戴します
哲学って、すごく深遠なものみたいだけど、
実際は私たちが生活していて役に立つ暮らしの知恵の
「ちょっと長期的視野バージョン」くらいなものだと思うんです。
実はとってもヌカミソくさいものかも…。
よりよい生活やよりよい育児をしようと思ったら、
そこにはいっぱいオイシイ発見がある、
これを無視する手立てはないかな、と思います。
投稿: すとれちあ。 | 2009年12月21日 (月) 17時36分