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今年、今日という日

私の職場、ぱいなぷる保育園の事務室には

「てんしゅどう」と呼ばれる棚があり、

毎日保育士や事務の者がそこを利用しています。

そこに入っているのは、所謂裏紙、

使い終わったり、印刷等で失敗をしたコピー用紙です。

言葉あそびが好きな園長が

「浦上天主堂」から類推で名づけました。

人によっては、不謹慎と見るかもしれないネーミング、

でもこのおかげで、私たちは一年中、

遠く離れた(ほとんどの人が行ったこともない)

長崎という地、今日の日を毎日のように意識しています。

使える紙を廃棄せずになるべく何度も使う、

エコの基本だと思います。

それだけではなく、

子どもたちの前で大人がものを大切にする、

これは中身のある保育には不可欠でしょう。

さりとて、何でもかんでも裏紙にはできません。

「てんしゅどう」に入れる時、使う時、

裏に書かれた情報が、見られても大丈夫か、

緊張感を持って確認せねばなりません。

この時、否応なく「事務」に向き合うのです。

何とはなく見える裏紙の管理ですが、このように、

平和、エコ、保育の中身、情報管理と

いろんなエッセンスが詰まっているところでもあります。

そしてそれは、ささやかながら、全てが寄り集まって

子どもたち・人間の未来につながっています。

さて、今年は放射能への関心が例年にない高まり、

その中でこの日を迎えました。

明日の光があるのなら、

それは電力でも、業火でもない光であってほしい。

89日、長崎原爆忌。

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コメント

素敵な園長先生ですね。
私、大学4年間を長崎で過ごしたんです。
楽しい大学生生活でしたが、原爆のこと、大水害のことで
大きな傷を抱えた人も身近にいて
身近に感じずにはいられませんでした。
忘れてはいけない日ですね。

投稿: ゆめ | 2011年8月 9日 (火) 15時53分

最近YUが原爆に関心を示しています
「怖い」という思いが強いようですが、恐怖から世の中に関心を持ってもらうのもいいとおもいます
原発の問題もなかなか収束しませんね
だんだんみんなの反応が過剰になっているような気がします
食べるものもなくなっちゃう勢いですよね。。。
小さい子がいるとやっぱり心配なんでしょうね

投稿: ゆうまま | 2011年8月 9日 (火) 20時43分

ゆめさん おじゃりやれ

ゆめさんは九州の方でしたものね。
東京や横浜にも、空襲や震災と言った悲しい歴史がありますが、
残念ながら普段は都会の喧騒の中で忘れ去られているのが現実です。
歴史は過去のことですが、これから私たちがすべきことは何か、
は歴史から学べる気がします。
未来は歴史にあり、勝手に格言を作ってしまいました

投稿: すとれちあ。 | 2011年8月18日 (木) 19時01分

ゆうままさん おじゃりやれ

最近の世間の反応は、過剰と無関心と言うか忘却の両端な気がします。
食品とかの風評は過剰だと思いますし、新たな問題を起こしていますが、
すでに震災や原発の問題を過去のものにみようとする向きも
出てきているようです(少なくとも、私が訴える三宅島は、
ほぼ完全に、過去のものにされてしまっています)。
もう少し、日本全体が理性的であればいいのですが…。

恐怖心から歴史や社会の問題に興味を持つ、
いいことだと思います。もちろん程度問題ですが。
私は小学校の頃、戦争と地震が怖くて
それ以外考えられなくなった時期がありました。
それがいいかどうかはともかく、今でもその辺に関心がある私は
その時に形成されたのだと思います。

投稿: すとれちあ。 | 2011年8月18日 (木) 19時07分

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