« 平成24年上半期の思い出 | トップページ | この夏Ⅰ~蓼科~天女の帯 »

技に溺れたオリオン

真夏の夜空、南に輝くアンタレス

私はさそり座~誰ですか?歌ってんの

子どもの頃、夏を代表するこの美しい星座と

その心臓に輝く一等星が誇らしかったのを覚えています。

このさそりが沈むと秋、そして「さそりの居ぬ間に」と

コソコソ東の空に上る星座をご存知ですか?

北半球で唯一、2つの一等星を持ち、

三つ星や大星雲で有名な、星座の代表格、

ギリシャ神話の英雄の一人、オリオン座です(修飾が長いよ)

このオリオンは、さそりに刺されて死んだため、

さそりから逃げ回っている、と言われています。と言うのも…

狩りの名人オリオンは「世界の獣は俺の餌食だ」と鼻高々。

しかし、生きとし生きるものみな、大地の恵み、

それを忘れたオリオンに、大地の神ガイアが怒りました。

そして放たれた刺客(さそり)

オリオンはあっけなく殺されてしまいました…。

技術や能力に溺れ、畏れや感謝を忘れてはならない、

バベルの塔、タイタニック号、世界に遍く伝わる訓話です。

現代の私たちはどうでしょうか?

例えばゼロエミッションという概念。

環境保全への関心が高まる中、

環境負荷ゼロ、という理念は素晴らしいのですが、

果たしてできるでしょうか?

電気や水素で走る自動車、太陽光や風力の発電、

その効果は確かにあるのでしょうが、

「負荷ゼロではない⇒根本的解決ではない」でしょう。

なのに、使う私たちに「負荷ゼロ」と錯覚させてしまう。

ここに、大きな落とし穴がある気がします。

今から思えばショッキングな話ですが、

東日本大震災以前は、原発をゼロエミッション

(と言う言葉ではないまでも、それに近いもの)

と感じていた人は、かなりいたと思います。

確かに、一面から見たら負荷は少ないし

供給も安定しているスグレモノ。

でもそれは、「一面から見たら」ですよね。

今言われているスグレモノも、

ある面から見たら、全く違う影響があるかもしれません。

どんな優れた環境技術よりもみんなが自然に感謝する気持ち、

効果に多少時間はかかっても、これが環境保全になると思います。

技術に溺れて「これでよし」と思っていて

背後にある毒針に気づかない、そんな事のないように。

そうそう、今、さそり座の頭の先、
20時頃なら南西の方角に土星・火星・おとめ座のスピカと
3つの明るい星がすぐ近くにタテ一直線になってます。
なかなかの景色なので、夕食後にでもご覧下さいませ~。

|

« 平成24年上半期の思い出 | トップページ | この夏Ⅰ~蓼科~天女の帯 »

エコ・環境」カテゴリの記事

気象・天体」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです
原発は廃止するにしても残すにしても課題はたくさんありますよね
電力のない生活が考えられない今、どこまでの不便さや負担を私たちが覚悟できるか。。ということなんでしょうかね

さそり座、川口からは南の空が都内なので見えないんですよね~
北極星も見えないですが
本当の一等星が冬にすこ=し見える程度、さみしいです

投稿: ゆうまま | 2012年8月16日 (木) 21時03分

ゆうままさん おじゃりやれ

そうですか…
夜景を埼玉側から東京を見たことがあまりありませんが、
そういう風に見えるんですね
東京から見ると、北は比較的見えますが
(それでも川口駅のあたりはリリアがあったりかなり明るいですが)
原発の話ともかかわるのですが、以前はライトアップの夜景を
「綺麗」って思っていました
(今もそういう気持ちはあるし、他の人も同じでしょう)。
でも、それは電力消費でもあり、また星を見えにくくする
「光害」でもある、物事は一面から見たらいけませんね。

投稿: すとれちあ。 | 2012年9月 9日 (日) 05時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 技に溺れたオリオン:

« 平成24年上半期の思い出 | トップページ | この夏Ⅰ~蓼科~天女の帯 »